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箱根駅伝で「過信してしまった」帝京大はまさかのシード落ち 中野孝行監督は「数字には表れないレースの難しさを感じた」 (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 日刊スポーツ/アフロ●写真

「やはり、走るべき選手が走らなければダメですね。だから今回2区を走って区間17位だった西脇翔太(3年、22年10区区間10位)や、1区16位だった小野隆一朗(3年、22年1区区間8位)。8区で区間6位だった山中博生(2年)が、(これから)中心になるべき選手ですね。なかでも山中は1年の時は体が細くて4年まで持つかなとも思ったけど、1年の時に地道に安定感をつけた、本来の帝京らしい選手です。

 それに、ここ数年は予選会を走っていなかったので、ハーフの自己記録が全体的によくないというのもあります。でも2月の丸亀ハーフでは、福田翔(2年)が1時間02分03秒の帝京大タイ記録で走ったので。駒澤大は1年生が1時間01分36秒で走り、2年の篠原倖太朗くんが1時間00分11秒の学生新を出してうちより2分も速いけど、箱根を走ってない福田が出したので、他の選手も『このくらいは行ける』と頑張ってくれると思います」

 次の箱根へ向けては「今は財布の中身がいくら入っているかを調べる作業をやっている段階ですね」と笑う。

「やっぱり予選会が終わって初めて、『こういう戦い方ができるんじゃないか』というのを考えられると思います。あるいは夏合宿で『どの区間が適性なのか』というのを見るので、現時点では想像もつかないし、まずは予選会で全力を使い果たす気持ちで行かなければ、今の厳しい戦いは勝ち抜けないと思っています。

 本戦になったら、その時に調子のいい者を使うというのが基本だと思っているので、これまで遠藤を4年連続3区とか細谷を2年連続5区で使ったけど、それは私にとっては例外。確かに経験があるのはいいことですが、それがいいイメージなのか悪いイメージなのかも重要だと思うし、私の場合は周りが驚くような区間配置をした時のほうが行けてしまっているので。適材適所をうまく考えた、そういう配置をできるようにしたいですね」

 13年に4位になって以降、2回シード権を逃しているが、すぐに復活して連続ではシード権を逃したことがないと自信を持つ中野監督。今回の失敗を、次につなげるための戦略と考え始めている。

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