箱根駅伝で優勝経験のある名将が大予想。「駒澤大3冠の可能性」「シード権争い」「台風の目となる大学」 (3ページ目)

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by 日刊スポーツ/アフロ

──大後監督が個人的に期待しているチームはありますか。

「私は幸運にも過去に全日本大学駅伝で3回、箱根駅伝で2回(内、往路優勝を3回)優勝を経験しています。優勝することでプラスになる要素と、難しさや苦しさを感じ始める要素もあります。優勝に辿り着ける監督って、そう多くはないですし、簡単ではありません。そんななかで、そろそろ30代、40代の若手監督が全日本や箱根を制する時代になっていくのだろうと思っています。そこに今一番近いのが國學院大の前田監督です。前田監督とは合宿地や練習で一緒になることがあります。國學院大は出雲で1勝(2019年)を挙げていますので、必然的に次は全日本か箱根をターゲットにしている。特に箱根は往路と復路、別々の優勝がありますので、まず勝つことが大事です。駒澤大出身の前田監督が師匠の大八木(弘明)監督を越えることに監督陣としての継承があり、意味のあることだと思っています」

──師弟対決での優勝争いは、盛り上がりそうですね。

「國學院大は、往路優勝を目指していると思います。しかしながら駒澤大は出雲、全日本とほぼノーミスですからね。同じ展開になると、駒澤大が有利です。本当に穴がない。また、単に走力だけではなく、これまで苦しいことを乗り越えてきている。精神的な隙もないように感じます。今年のチームは大八木監督の理想とするチームになっている。だから、簡単には崩れない。箱根を制して、大学駅伝3冠を獲る可能性はすごく高いと思います」

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【筆者プロフィール】佐藤 俊(さとう・しゅん)
1963年北海道生まれ。青山学院大学経営学部卒業後、出版社を経て1993年にフリーランスに転向。現在は陸上(駅伝)、サッカー、卓球などさまざまなスポーツや、伝統芸能など幅広い分野を取材し、雑誌、WEB、新聞などに寄稿している。著書に「宮本恒靖 学ぶ人」(文藝春秋)、「箱根0区を駆ける者たち」(幻冬舎)、「箱根奪取」(集英社)など多数。

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