出雲駅伝上位校にルーキーの好走あり。箱根駅伝での活躍も楽しみな3選手

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by SportsPressJP/アフロ

駒澤大はスーパールーキーが区間新の活躍

 今回の出雲駅伝を駆けたルーキーのなかで圧巻の走りを見せたのは、佐藤圭汰(駒澤大1年)だ。1区の花尾恭輔(3年)からトップの中央大と9秒差の2位で襷を受けた佐藤は、走り始めて1キロ地点でトップに立つと、そのままトップをキープ。区間新で、2位の中央大に5秒差をつけて3区のエース田澤廉(4年)につないだ。

「プレッシャーは特になくて、走る前から区間賞、区間新は狙っていました。ラストを上げられなかったので、80点ぐらいです」

 初の大学駅伝ですばらしい走りを見せたが、笑みはなかった。

 1500m、3000m、5000mの高校日本記録を持ち、鳴り物入りで駒澤大に入学した。春から1500mなどのレースに出続けたが、高校時に続けていた自主練ができず、走る練習だけでカバーしていた影響もあり、結果が出なかった。最終的に1500mから5000mに軸を移したが、思うような走りができないなか、7月には「どうしたらいいのかわからない」と珍しく弱気な言葉をこぼす時もあった。U20 世界選手権5000mも11位に終わり、そのまま夏合宿に入っていった。

「夏合宿は、U20世界選手権でコロンビアに行って体調不良になってしまい、全然練習ができなかったんですけど、徐々にこなせるようになってきました。最近は練習の流れもわかってきて、自分のなかでどうしたら強くなるのかが考えられるようになってきましたし、高校の時にプラスでやっていた自主練の時間も作れているので、これからもっと調子が上がっていくと思います」

 今は田澤と同じ練習メニューをこなすようになった。きつい練習で、田澤ほどの余裕はないが、それでも食らいついて練習していくなかで余裕を持って練習ができるようになればと前向きだ。

 出雲駅伝は、そういうなかで出走し、従来の区間記録を20秒も縮める15分27秒の区間新で優勝に貢献した。チームの目標は3冠達成で、このあと、全日本、箱根駅伝と続くことになる。だが、箱根については不安が大きいとこぼす。

「全日本は、今回と同じように区間新や区間賞を獲る気持ちでいます。でも、箱根はスタミナについて不安な部分があります。まだ、20キロをしっかり走りきる力がないんで、これから試合をしぼってスタミナをつけるような練習をメインにして、箱根でも自分が思うようなパフォーマンスを見せられるようにしたいです。3冠を達成するためには自分が区間賞を獲っていくレベルにならないとチームに貢献できないので。希望区間ですか? 5区6区以外ならどこでもいいです。山は無理です(苦笑)」

 体の線がまだ細いが、今は筋トレもしているという。スピードは十分にあり、走力も田澤たちと練習するなかで日々伸びている。20キロをなんなく走れる力がついてくれば、往路の主要区間も見えてくるだろう。そのくらい「これから」が楽しみな走りを、佐藤は出雲で見せてくれた。 

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