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東大理三に現役合格のちインカレ優勝の内山咲良。「誰もやったことがないことをしてみせたい」と励んだ文武両道 (6ページ目)

  • 宮部保範●取材・文 text by Miyabe Yasunori
  • photo by Kyodo News

【陸上は「変化を恐れない」、勉強は「続ける」のが大事】

ーーその後、陸上でも学業においても、心折れずに成績を伸ばしてきました。勉強や陸上に臨むにあたって、大切にしてきたことはありますか?

内山
 陸上に関して言えば、変化を恐れなかったのが大きかったと思っています。練習法は高校時代にやっていた内容とはかなり変えていますし、そもそも走幅跳から三段跳に競技を変えました。そういうところの決断を、要所でしっかりできました。

 それまでの方法でうまくいかなかった時に、変えるって怖いことじゃないですか。失敗しちゃうかもしれないので。私はそういう時でも、失敗するかもしれないけれど、このまま同じことをして下がるくらいだったら、失敗してもいいから変えてみたほうが前に進めるというふうに思うんです。変化を恐れずにやりたいって思い続けるというのが、大事にしてきたことなのかなと思います。

ーー勉強のほうではどうでしょうか?

内山 勉強と陸上のつながりは、自分のなかでちょっと見えないです。競技面ではいろいろと冒険しているんですが、勉強では冒険をあんまりしてない。むしろ、勉強するうえで大事なのは続けることだと思っています。

 たとえば、計画を立てるとしたら、「きょう1000問解きます」と言って、1000問解けなかったら失敗になってしまう。そういうふうではなく、ある程度の遊びを持たせながら計画を立てるようにしています。

 何があっても絶対にこなせる量を設定して、そのうえで、もしできたらこれをやろうという感じで。量がかっちりと決まっている内容よりは、やればやるほどいいみたいなものを入れておくのがいいと思います。

ーー計画に余裕を持たせておく、と。

内山 そうですね。必ずできる範囲を終わらせたあとに余力で取りかかるものについては、解く問題の数などを決めておかない。1問でもいいし、10問でもいい。その時に残っている力や時間でできることをする。そういうふうにうまいこと、自分が続けられる方法を模索するっていうところですかね。

ーー内山さんはどのようにしてその取り組み方にいきついたのでしょうか?

内山 誰かの方法をマネしたというよりは、自分で自分ができる方法を見つけてきたというのが近いような気がします。大学2年で疲労骨折した時、自分のなかでいろいろと無理をしすぎていたなって反省もしたので。

 そのなかで、無理をして壊れるよりは続けられる方法で、毎回100%まで自分を追い込めてなくても、9割でやめて次の日も9割できるんだったらそのほうがいいよね、と思うようになりました。

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