2020.05.14

マラソン鈴木亜由子の指導者が語る現状。
有力選手の勢力図が変わる可能性

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by YUTAKA/AFLO SPORT

 3月24日に発表された東京五輪の1年延期を受け、日本陸連は4月17日にマラソンと競歩の出場内定選手を維持すると決定した。その代表のひとり、女子マラソンの鈴木亜由子(日本郵政グループ)は、1月末に負傷した右太腿肉離れが癒え、4月末には3カ月ぶりに走り始めたと報道された。

髙橋昌彦監督(写真右)指導のもと、昨年9月のMGCで東京五輪出場内定を決めた鈴木亜由子選手 鈴木を指導する日本郵政グループ女子陸上部の髙橋昌彦監督は、ケガの状態をこう説明する。

「痛めた患部が座骨の付着部に近いところだったので、完治には時間がかかるだろうと言われていました。最初は2週間ごとに、MRI検査を受けながら炎症が引くのを慎重に見極める状況でした。その頃はまだ五輪の延期が決まっていなかったので、時間がない中、急ぎすぎて中途半端に練習を始めて、また同じことが起きてしまってはいけない、と心配していました。

 じっくりと回復期間をおいて5月くらいにマラソン練習をスタートしようと考えていましたが、(五輪が)延期になったことで、精神的な余裕度は増えたような気がします。『それなら急ぐ必要はないね』という感じで、延期をプラスに捉え、再発しないように落ち着いてやっていこうと話しています。ケガが起きた原因もしっかり検証できたので、その点でもよかったと思います」