箱根駅伝、青学大の区間配置の妙。
原監督が選手起用の極意を詳細に明かす (2ページ目)
また、東海大も1区に鬼塚翔太(4年)を持ってきたが、原監督は「彼が吉田の30秒から1分前でタスキを渡せるかといったら、それはなくて、ほぼ同時になると考えた。それなら2区に誰が来ても岸本なら秒差でつなげるので、3区でリセットになる」と考えていた。
そこで、3区には絶好調だった鈴木塁人、4区に安定感のある吉田祐也の4年生を並べた。
その読みは見事的中。1区の吉田圭太は区間7位ながら、1位には18秒差で東海大には8秒差で中継した。そして2区では、先頭で走り出した創価大のムソニ・ムイル(4年)が最初の1kmを2分50秒で入って、けん制状態になったこともあり、岸本は2.4kmで先頭集団に追いついた。さらに9kmを過ぎてから往路優勝を狙う国学院大の土方英和(4年)が集団を引っ張り出す中、岸本は東海大の塩澤稀夕(3年)とともに、余裕を持って後ろにつくと、最後は早稲田大や東海大と一緒に中継所になだれ込んで1秒差の1位で3区につないだ。
3区の鈴木は4km過ぎに国学院大を突き放すと、5kmを13分48秒で10㎞を27分52秒と快走を見せた。11㎞過ぎに59分25秒の驚異的な区間新を出した東京国際大のヴィンセントに抜かれてからは少し失速して、終盤は一度離した国学院大の青木祐人(4年)に迫られたが、東海大との差を51秒にして中継。
4区の吉田祐也と5区の飯田貴之(2年)は、原監督が区間適性を信じたとおりに1時間0分30秒と、1時間10分40秒で2人とも区間新の走りを見せ、2位国学院大との差は1分33秒。ライバルの東海大には3分22秒の大差をつけて往路でゴールした。
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