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箱根駅伝、青学大の区間配置の妙。
原監督が選手起用の極意を詳細に明かす (4ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Naoki Nishimura/AFLO SPORT

 力的に劣勢だと考えた平坦な2区間は、速い入りで前半はあまり差を詰めさせないようにし、追う側を勢いに乗らせない走りをした。

 原監督は「復路のキーは6区と9区でした。6区は、(谷野が)59分は切れるだろうと踏んでいて館澤くんがすごい走りをしましたが、区間3位の走りだったので上出来。7区と8区で耐えて9区で勝負ですが、もし30秒負けて(9区に)渡っても勝てると思っていた。だから8区の遊行寺の坂を上るあたりで、『これなら2分差で行けるだろう』と思い、勝利を確信しました」と振り返る。

 適材適所に徹した原監督の区間配置が、結果的には東海大に3分2秒差をつける10時間45分23秒の総合新記録での優勝につながった。それ以上に驚くのは、8区と10区の起用を、往路の4区終了時まで迷っていたということだ。

 8区は岩見で10区は出雲と全日本では1区に起用していた湯原慶吾(2年)だったが、10区にエントリーしていた新号健志(3年)と早田祥也(2年)、近藤幸太郎(1年)も候補だった。「多分、その誰を使っても同じくらい走っていたはず」と自信を持つように、使ってもよいカードを3枚余らせておけるほど、箱根に向けて調整もうまくいっていたのだ。

 ケガ人の有無も含めた総合力と調整力と、最初から攻め切れるか攻め切れないかの差が、今回の箱根の結果につながったと言える。

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