箱根駅伝、青学大の区間配置の妙。
原監督が選手起用の極意を詳細に明かす (3ページ目)
昨年往路優勝の東洋大は、1区の西山がやはり本調子ではなく、10km過ぎから出遅れた。2区の相澤は、1時間5分57秒の驚異的な走りで区間新を出し、5区の宮下隼人(2年)も1時間10分25秒の区間新で区間賞を獲得したが、3区と4区が機能せず、まさかの往路11位だった。
駒澤大も安定感を買われて起用された1区の中村大聖(4年)が、1位に54秒差の9位スタートになり、2区山下一貴(4年)も狙った走りをできず区間13位。3区の田澤も区間3位の走りながらも6位までしか盛り返せず、往路は最終的に8位。東洋大も駒澤大もともに、期待の選手が健闘しながらも、それを生かし切れない結果となった。
また、東海大も2区までは想定通りだっただろうが、3区に前回も走って区間7位だった西川雄一朗(4年)を起用した守りの配置から崩れたと言える。4区には全日本で優勝テープを切った名取燎太(3年)を当日変更で入れて勝負に行ったが、青学大・吉田祐也の勢いには勝てず、4位には上げたものの、差を1分58秒にされた。さらに5区の西田荘志(3年)が区間2位だった前回よりも46秒遅い1時間12分4秒の走りで往路4位と誤算が続く結果になってしまった。ケガ明けで万全な状態ではなかっただろうが、6区を57分17秒の区間新で走った館澤享次(4年)をスピードが生かせる3区で起用して、勝負をかけていたなら、青学大とも十分競り合える展開になったかもしれない。
復路も青学大は、8区までは詰められる覚悟をしていたと話す。6区の谷野航平(4年)が、初の箱根駅伝ながらも日本インカレ1500m4位の勝負強さとスピードを買っての起用だったが、想定の58分30秒を上回る58分18秒の走りで、東海大の館澤から逃げ切った。さらに7区では想定通りに詰められたが、8区でも前回区間新だった東海大の小松陽平(4年)に、岩見秀哉(3年)が1秒負けるだけの走りをした。
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