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箱根駅伝5位に沈んだ東海大の自省。
「速さはあるが、強さがない」 (4ページ目)

  • 佐藤 俊●文・写真 text by Sato Shun  photo by YUTAKA/AFLO SPORT

 往路9位から確実につないだ東海大の第83回大会以来11年ぶりとなる3位入賞が現実味を帯びてきた。9区の湊谷春紀(3年)、10区の川端千都(かずと/4年)の力を考えれば、十分可能だった。

 しかし、箱根の神様は甘くはなかった。川端が足の故障の影響からゴール前で力尽き、5位に終わったのである。

 5位なら悪くないだろうという見方もあるだろう。

 昨年は10位でシード権をギリギリで獲得したことを考えれば、1年で5つ順位を上げたことになる。しかし、10位から優勝ができるほど箱根は甘くはないという声もあるなかで、夢を見られるだけの力が東海大にはあったのだ。
 
 箱根での誤算を両角監督は挙げたが、チームにとって戦略的にダメージが大きかったのは、春日を5区に配置できなかったことだろう。夏合宿、春日は好調を維持し、山登りのメニューを順調に消化していた。両角監督は春日を5区に置き、それを軸に区間配置を決めていく予定だった。だが、9月に疲労骨折が判明し、「春日の5区」が絶望的になった。

 9月の日本インカレ出場のため夏合宿では山の練習ができなかった松尾を試走させ、西田壮志(1年)と競わせたが箱根対策が遅きに失したのは否めない。出雲駅伝優勝、全日本大学駅伝で2位になっても両角監督が「箱根は別モノ」とまったく楽観視していなかったのは、「春日5区」という軸を失い、メンバー構想が狂ったからだ。さらに關が故障し、追い打ちをかけた。そうした歪みがチーム全体に焦りを生じさせ、往路の結果に響いた。

 もうひとつ勝つために足りなかったものがある。

「青学大はグラウンドまで8kmを走っていったり、和やかさの中にも主力選手が第2寮に落ちたりする厳しさがある。そういうところを見ると、うちにはない厳しさや粘り強さがあると思います」

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