箱根駅伝5位に沈んだ東海大の自省。
「速さはあるが、強さがない」
東海大・駅伝戦記 第20回
ゴールテープを切る川端千都。優勝候補のひとつ、東海大は5位前回の記事はこちら>>
「完敗です」
箱根駅伝が終わった後、両角速(もろずみ はやし)監督はサバサバした表情で、そう言った。
青山学院大、神奈川大とともに優勝候補の一角に挙げられ、自信を持って挑んだ箱根駅伝だが、終わってみれば優勝した青学大と12分30秒もの差がつき、5位に終わった。選手個々の力は決して劣らないものの、結果的に圧倒的な差を見せつけられた。「打倒、青学」を掲げ、出雲駅伝は優勝、全日本大学駅伝では2位と結果を出してきた。箱根では最低でも3位以内を掲げたが、一度も首位争いを演じることなかった。
なぜ、東海大は目標を達成できなかったのだろうか。
1月2日、往路のメンバー変更が発表された時、プレスルーム内は少しざわついた。東海大の1区で關颯人(せき はやと/2年)が外れ、三上嵩斗(しゅうと/3年)が入ったのだ。
關は11月16日の上尾シティハーフ後、左足脛骨(けいこつ)の疲労骨折が見つかった。
その時点で両角監督は、關の起用を90%諦めたという。しかし、年末の富津合宿での關は非常に好調だった。一時はポイント練習から外れたりもしたが、あの力強い走りを見れば、完全に復調していると思えた。そのくらいよかったのだ。關自身も「この時は80%は戻っていました」という。
それでも両角監督の下した結論は徹底したものだった。
「ミスした選手、100%ではない選手は使わない」
選手層の厚さゆえの起用基準だが、その理由で阪口竜平(りょうへい/2年)は全日本大学駅伝のメンバーから漏れた。レース2週間前のポイント練習で遅れてしまい、翌日取り戻したが、両角監督は「少しでもミスすると外される」という厳しさをチーム内に徹底させたのである。
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