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東海大は2分差を復路で逆転可能。
箱根駅伝「初Vのシナリオ」はできた

  • 佐藤 俊●文・写真 text & photo by Sato Shun

練習後、笑顔でアイスバスに浸かる東海大の選手たち。調子のよさがうかがえる練習後、笑顔でアイスバスに浸かる東海大の選手たち。調子のよさがうかがえる東海大・駅伝戦記  第18回

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 箱根駅伝を10日後に控え、東海大学は千葉県で2日間、最終合宿を行なった。

 初日の午前中は各自ジョグを行ない、午後は林隆道ストレングス&コンディショニングコーチとともに器具を使わないウエイトトレーニングを行なった。思ったよりも気温が上がり、阪口竜平(2年)は「暑いな」と長袖を脱ぎ、半袖姿になるほどだ。

 約1時間半程度、選手の身体の動きを林が確認しながらメニューを消化していく。だが、黙々とシリアスに行なう感じではない。西田壮志(1年)がいじられ役になり、時々笑いが起こる。

「箱根が近いですし、厳しい感じではなく、楽しくやる雰囲気が大事ですので」
 
 林はそう言う。

 練習後、林のもとへ選手が体のバランスについて聞きにくる。その場で腕を振らせ、太腿を上げて走る様子を見ながら、バランスをチェックする。選手のイメージを聞き出し、アドバイスを送る。林曰く体への意識が高く、運動神経が抜群なのは阪口だそうだ。自分の体についての理解を深め、調子の良し悪しを疲労や調整ミスという言葉ではなく、その要因を挙げて的確に話すという。

「そういう選手は伸びしろが大きいですね」

 林は阪口の意識の高さこそが成長を促進させてきた源だという。

 リラックスした表情で練習をしていたのが、中島怜利(れいり/2年)だ。

 關颯人(せき はやと)や鬼塚翔太と同じ2年生だが、彼らとはちょっと違う少し尖った雰囲気を漂わせている。気持ちの強さが体の端々から発している感じで、スピードはないが泥臭く、粘り強く走るタイプだ。

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