夏合宿の地獄坂トレーニング。東海大の「5区山登り」は春日主将か (2ページ目)

  • 佐藤 俊●文・写真 text & photo by Sato Shun

「以前からウエイトの重要性はわかっていたのですが、ウエイトを始める場合、きちんと教えられる人がいて、なおかつそれを活かせる選手側の質が必要なのです。昨年、關たちが入ってきたことで選手の質が向上し、今年、ようやくふたつのポイントが一致して、本格的にウエイトを始められるようになりました」

 トレーニングメニューは、林が"オーバーヘッドのグッドモーニング"などの数種類を考え、主に西出仁明(のりあき)ヘッドコーチが指導している。

「1年生と4年生では筋力が違うので、個人の筋力に合わせてウエイトをしています。効果は大きいですね。まず故障者が減りました。主力で故障して離れているのが湊谷(春紀・3年)ぐらいで、あとはないですからね。ウエイトである程度の重さを持つことで体幹が強化され、スピードが上がるし、パワーをつけるためには必要なことだと思います」

 西出コーチはウエイトの効果をそう語る。

 合宿では週2回、ウエイトを取り入れていた。日常のトレーニングでも週2、3回でウエイトを入れており、取り組む選手が増えた。三上嵩斗(しゅうと/3年)はこの夏合宿のタイミングからウエイトをスタートしたという。ただ、ウエイトは強制ではなく、個々の判断に委ねられている。1年生の中でも塩澤稀夕(きせき)は木村理来(りく/2年)や館澤亨次(2年)の走りを見て、その必要性を感じ、ケガ予防も兼ねて始めたが、同じ1年の名取燎太(りょうた)は「もう少し体ができてから」という考えで、今は控えている。 

 翌日、午前練習が始まった。

 いつものようにストレッチをして体をほぐしていく。早朝練習の時は冷たい雨が降っていたが、今は気持ちいい秋晴れだ。アップが終わると8名の選手が両角監督の前に集合。監督の話が終わると選手は3つのグループに分かれた。

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