【東海大・駅伝戦記】主将が進める「箱根で勝てるチーム」への改革 (2ページ目)
春日は川端千都(かずと/4年)とともに、1万mB組にエントリーしていた。
A組はロンドン世界陸上出場をかけて派遣標準記録を突破しなければならないので、かなりのハイペースになる。練習の一環としてタイムを狙いつつ走るにはB以下のレースがベストだが、かといって簡単なレベルではない。実業団の選手が多く、学生も塩尻和也(順天堂大)ら実力のある選手が出走する。
スタートから外国人勢を中心に先頭集団が作られ、春日は中盤より後ろにいた。1周を約68秒ペースで走る。5000mの先頭タイムは14分21秒、春日は10名程度の先頭集団の後方で粘っている。このままキープできれば、28分30秒前後になる。
しかし、6000mを過ぎて先頭から遅れ、300mぐらい離されただろうか。足取りが重く、ちょっとキツそうだ。結局、タイムは29分24秒48だった。
着替えて、すぐに両角速監督に報告しにいく。背筋を伸ばし、両角監督の話を聞いている。
終わって声をかけた。聞きたかったのは、このレースの出来よりは、むしろチーム全体のことやキャプテンとしての取り組みについてだった。春日は春から主将になったが、突然選ばれたわけではない。両角監督曰く、2、3年生の頃からいずれ主将になることを見越して、上に立つ者としての言動を意識させてきたという。そうしたプロセスを経て、主将になった。
「2年の頃から隙を見せないようにしていました。主将がちゃんとしていないのに、みんなにちゃんとしろというのはおかしな話なので。主将になってからは4年生が協力してくれるので、今までの主将と比べるとかなりラクというか、みんなに頼りっぱなしのところがありますね」
春日は主将になってから新たに着手したことがある。
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