【東海大・駅伝戦記】予選会で好走も「ここは自分たちの舞台ではない」 (5ページ目)
そんな中、三上が7位(29分17秒67)、西川は8位(29分18秒91)と並んでフィニッシュをした。ともに自己ベストを更新する走りを見せ、最終組の選手がひとりそれぞれ1分遅れても、現時点の9位チームとのタイム差により本戦出場枠の9位内を確実にキープできることとなった。
レース後、三上はちょっと不満げだった。
「今日は80点ぐらいですね。足りない20点は組トップを狙っていたんですけど、やっぱり1万mは長くてキツいんで、この辺でいいだろうっていう妥協が出てしまったんです。それが自分の弱いところですね。でも、自分たちは本来、予選会に出場しているようなチームではないと思うので、逆にこういうレースを経験できたことはよかったかなと思います」
三上も中島や關と同じように、昨年の全日本大学駅伝のシード落ちに責任を感じていたという。
「正直、全日本選手権(3000m障害)もあるので、あまり走りたくはなかったんです。だけど、昨年、出雲駅伝の後に故障してしまって、全日本を走れずにチームに迷惑をかけてしまった。その責任を感じていたので、今日走って最低限の責任は果たせてよかったです」
そういうと三上は笑顔を見せ、丁寧にお辞儀をして待機場所に戻っていった。
3組を終わって、東海大学は6名全員がひと桁の順位で、神奈川大学と1位を争っていた。もともと個々の選手の質が高い大学だけに、ここまでの結果は妥当と言える。だが、選手が順調に結果を残すことができたのは、やはり調整がスムーズにいったからだろう。
2月、目標とスケジュールの大枠を決める両角監督との個人面談の際、今回出走したメンバーは、この選考レースを視野に入れていくことが決まった。5月の関東インカレが終わった以降は無理をせず、6月10日の個人学生選手権の5000mにエントリーはしていたが、出走しなかった。レースの4日前に8000mを走り、3日前にはマッサージを入れ、ケアを怠りなく行ない、万全の準備をしてきた。その成果がしっかりと順位に反映されていたのだ。
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