【東海大・駅伝戦記】予選会で好走も「ここは自分たちの舞台ではない」 (7ページ目)
「最後のレースには留学生や強い選手がいて、動きがある中でも粘れたと思うんですけど、まだまだ1万mは力不足のところがあるので、これはこれからの課題ですね」
關は昨年、全日本大学駅伝の2区を走る予定だった。
ところがレース直前に感染性胃腸炎になり、戦線離脱。7区の予定の川島千都を2区に配し、出場予定のなかった羽生拓也を7区に置いた。ベストメンバーを組めない状態で挑んだが目標の3位内はおろか、6位までに与えられるシード権も失ってしまった。その責任を關はずっと感じていた。
「昨年、自分が直前に病気になってチームを狂わせてしまい、結果的に予選会に回ることになってしまったので、昨年のリベンジも含めて悪いなりに諦めずに走って本戦に出られるようになったのはホッとしています。これでひとつ返せたのかなと思うので、次は本戦でしっかりと結果を出したいと思います」
表情から、まだ本調子ではなさそうだが、抱えていた荷物をひとつ降ろしたことで気持ちが少しラクになっただろう。
話を終えると、ふっと關の表情が和らいだ。
西出コーチは、「これで本戦に行けますし、収穫もあり、今日はよかったと思います」と笑顔を見せた。
予選会のメンバーが決まってから西出コーチは、8人のコンディションに細心の注意を払い、調整してきた。「このレースにバチっと合わせてきたわけではないです」と言うように、たしかに普通に力を発揮すれば、本選への出場権は獲得できるチームだ。だが、その普通に力を出すことの難しさを理解していたからこそ、慎重に調整を進めてきた。
そして、チームは無事、11月の本選へ駒を進めることができた。しかも思わぬ副産物が得られたという。
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