世界一のチームを支える車いすラグビー日本代表メカニックは、ミスから技術を磨いた「もう絶対に選手を裏切ることはしない」 (4ページ目)

  • 荒木美晴●取材・文・写真 text&photo by Araki Miharu

選手とともに世界選手権を戦う

 昨年の東京パラリンピックは、直前までチームをサポートした。本番は三山さんが帯同し、川﨑さんは会場に近いホテルに2週間泊まり込んで日本代表を見守った。東京パラリンピック後は、初の海外遠征となる今年6月のカナダカップ、7月のローポインターズ大会(アメリカ)、そして今回の世界選手権は川﨑さんがひとりで担当している。短いスパンで3大会連続の重責を担うことになるが、川﨑さんは「100%準備をすることに変わりはない」と冷静だ。

 今大会の試合は、2つのコートを使って行なわれている。日本代表は11日の2試合は第1コート、12日の2試合は第2コートでプレーしたが、それぞれに設置されている競技用スポーツコートの材質が異なるため、ラグ車の沈み具合も違ってくるのだそうだ。そのあたりは「想定済み」で、川﨑さんは選手から希望を聞いて、ラグ車のキャスターを調整して送り出している。

 チームは13日、強豪オーストラリアを下し、全勝で予選リーグを通過した。上位チームの実力が拮抗する今大会は、準々決勝以降は一層ハイレベルな戦いが続くことが予想される。そのなかで日本代表が見据えるのは、大会連覇だ。その快挙達成の瞬間を見届けるべく、川﨑さんはいつもどおり、粛々と、そして全力でサポートを続けていく。

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