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スノーボードクロスで成田緑夢が銅。
「僕にとっては完璧なメダル!」 (2ページ目)

  • 星野恭子●取材・文 text by Hoshino Kyoko
  • photo by Yusuke Nakanishi/AFLO SPORT

 トーナメント1回戦、準々決勝を順調に勝ち上がり、準決勝では前回ソチ大会銅メダルのキース・ゲーベル(アメリカ)に挑んだ。得意のスタートダッシュから直線でのスムーズな加速でリードを広げると、「インコースよりコース状況はいいはず」と、中盤ではあらかじめ決めていたアウトコースのラインを果敢に攻めた。

 だが、コースの荒れ方は予想以上で、板をとられて転倒したところをゲーベルにかわされた。集中力は切らさず、すぐさまコースに戻ったものの、追いつけず敗退。それでも、「転倒しても、挑戦した結果なので後悔はない。失敗はデータになる」と前を向いた。

「ちょっと緊張した」という3位決定戦は、ソチの覇者、エヴァン・ストロング(アメリカ)との対戦だった。転倒後のレースで守りに入る選択肢もあったが、臆することなく、あえて挑戦する姿勢を貫いた。準決勝で得たデータを元に、予想外に荒れたコースなら、あらかじめ滑走ラインを決めず、コース状況を見ながら柔軟に滑ろうと決めた。

 これほどに荒れたコースは未経験で、ラインを決めない滑りも「過去に1回もやったことがなかった」が、「グリム、これが君のミッションだよ」と自分自身に語りかけ、スタートを切ったという。

 得意のスタートを決めて先行すると、バランスを崩してコースを外れたストロングを置き去りにし、そのままゴールラインを突っ切った。

「自分自身によくやったと褒めてあげたい」

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