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井上雄彦×香西宏昭
車いすバスケ16年の闘いと2020年を語る (3ページ目)

  • 名古桂士(X-1)●取材・文細野晋司●写真市川光治(光スタジオ)●構成

勝負に出て勝てなかったリオ。苦悩の先にある2020東京

井上 リオはチームの中心で、副キャプテンだったね。

香西 ヤンジャン(ヤングジャンプ)をはじめメディアにはキャプテンのレオくん(藤本怜央)と一緒に2大エースって書かれてたし、自分でもその自覚はありました。晋平さんは、大会前からチームに「宏昭はどこかでギアを上げる」って、ひとつの武器のように言ってくれていたんです。

井上 それは勝負の分かれ目みたいなところでってこと?

香西 そうです。チームからも期待されていたけど、僕がそれに応えられなかったのが、9位という結果です。

井上 リオのミックスゾーンで話を聞いた時、1戦目、2戦目の連敗は自分のせいだって言ってたね。

香西 最初のトルコ戦は、速攻を封じるためにスローな展開で接戦に持ち込みました。終盤に入ってその均衡を破るために、自分でシュートを狙いにいった。でもシュートが外れて、リバウンドから速攻を決められて、試合の流れが変わってしまいました。次のスペイン戦も、また自分が落として同じようにやられてしまった。もうすごい責任を感じたし、つらかったですね。

井上 勝負に出て、結果敗れて、その責任は自分にあるってことか......。

香西 ギアの上げ方に問題があったのかと。

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