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井上雄彦×香西宏昭
車いすバスケ16年の闘いと2020年を語る (4ページ目)

  • 名古桂士(X-1)●取材・文細野晋司●写真市川光治(光スタジオ)●構成

井上 自分だけで強引にいっちゃったっていうこと?

香西 それに尽きると思います。今思うと、ギアを上げるって自分が決めることだけじゃないんですよね。無理に攻めにいっても、引きつけて誰かに出してもいいし。でもリオのあの場ではそれができなかったし、そんなに周りを見る余裕もなかった......。

井上 そういう二枚腰みたいなものはまだなかったんだね。

香西 とにかく自分が決めないとって思ってしまいました。

井上 ある意味決め打ちみたいになっちゃったんだ。難しいね。

香西 リオが終わって、あらためて自分自身を見つめ直してみた時に、リオに100%で臨んでいなかったと思ったんですね。もちろん手を抜いていたわけじゃないんですけど。例えばトレーニングもイリノイ大学時代からのメニューを続けているだけで、今何が必要かを模索してこなかった。このままじゃ東京も同じ結果だなって。

井上 リオでいろんなものを背負って闘ったことが、自分自身を知る機会にもなったんだね。

香西 とにかくここから3年間は、もうやり切ったって言えるくらいの時間を過ごそうと。
身体やメンタルなど専門的な知識や経験のあるプロの力を借りて鍛え直すことにしました。当然、お金を支払って仕事としてやってもらっています。プロスポーツ選手として当たり前のことなんですけどね。次の東京ではリオみたいな思いはしたくないですから。

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