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パラ陸上・高桑早生「社会人と選手の両立に奮闘中です」 (3ページ目)

  • 文●スポルティーバ text by Sportiva
  • 写真●五十嵐和博 photo by Igarashi Kazuhiro

伊藤 それまで体育は見学してたんですか?

高桑 見学でしたね。つまらなかったです。初めて走った時も、"思ったより動けるんだな"っていうのと、でもどこか自分の体が思い通りに動かせないもどかしさみたいな両方を感じて、不思議な気持ちでした。

伊藤 タイムは覚えていますか?

高桑 50メートルを、確か20秒はかからなかったはずです。具体的には覚えてないですけど、思ったより走れたっていうのが印象としては残っていますね。

伊藤 それがすぐに、陸上をやりたい!っていう気持ちにつながっていったわけではなくて。

高桑 はい。それよりも、スポーツに対してより前向きになれたというか。自分はずっと硬式テニスをやっていて、走れたことで中学で入部したソフトテニス部にももうちょっとで復帰できるかなって思いました。

伊藤 テニス部に復帰したときは、日常の義足でプレイしたんですか?

高桑 はい。

伊藤 実際にテニスをやってみてどうでしたか?

高桑 走ったときよりも、テニスをやったときのほうが、より自分の体が思い通りに動かないなって思いました。テニスは、前に一直線に進むだけでなく、横の動きもあるので。それで、一時期テニスが楽しくなくなっちゃったんですよね。もしかしたら、その楽しくないなってちょっと思ったのが、高校に入った時に違うことを始めてみようかなっていう決断につながったのかもしれません。

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