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カーリング女子日本代表が圧巻のショット率を叩き出した要因。初の頂点へ緻密な戦略に期待 (2ページ目)

  • 竹田聡一郎●文 text by Takeda Soichiro
  • photo by JMPA

 ラウンドロビンでは4試合が同時に行なわれたため、各シートに用意された石でプレーするしかなかったが、準決勝では2試合しか行なわれないため、使用する石を残りのシートからも選択可能となった。そこで、日本は試合が行なわれるシートの石8個と、使用されない1シートの石8個を加えた、計16個のなかから、クセのないもの、投げやすいものをセレクト。このストーンのチョイスも奏功したのではないか。

 これは憶測にすぎないが、準決勝の日本はコーナーへ向けてドローを投げる場面が多く、そこが得点源や攻撃の起点になっていた。そのために曲がりやすい石を用意していたとしたら、JD(ジェームス・ダグラス・)リンドコーチをはじめとした日本の、まさに作戦勝ちと言えるだろう。

 そして、迎える決勝はひとつのシートで行なわれる。石のチョイスは4シート分、計32個から選択できる。そうなると、さらに緻密な作戦と展開が可能となり、情報収集力に長けた日本は要所要所で、自らの強みを生かして相手の弱みを突く作戦を立てることもできるだろう。

 決勝ではイギリスと対戦するが、ひとつ興味深いデータがある。両スキップのショット率だ。

 日本の藤澤は、ドローのインターンが83%、アウトターンが84%、平均83%。テイクのインターンが75%、アウトターンが82%、平均79%となっている。

 インターンとは、右投げの選手が時計回りの回転で投じること。逆に、反時計回りの回転で投じるのがアウトターンとなる。

 一方、イギリスのスキップ、イブ・ミュアヘッドも藤澤と同じ右投げで、ドローのインターンが77%、アウトターンが83%、平均80%。テイクのインターンが66%、アウトターンが80%、平均73%となっている。

 目につくのはミュアヘッドの、インターンのテイクのショット率の低さだ。

 思い出されるのは、4年前の平昌五輪3位決定戦。今回の決勝と同じくイギリスと日本が対戦し、勝負はミュアヘッドのラストロックで決した。ミュアヘッドはインターンのテイクをワイド気味に投げてしまい、日本にスチールと銅メダルを献上することになった。

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