カーリング女子日本代表がもたらしたメダル以上に大切なもの。十分に伝えた競技の魅力とカーリング界への好影響
「いやぁ~、金メダルもあるし、げっぱもあるなぁ。本当に強い10チームがそろった」
五輪開幕前、カーリング女子日本代表ロコ・ソラーレの小野寺亮二コーチにメダルの可能性を聞いてみると、難しい表情でそう答えた。「げっぱ」とは、最下位やビリという意味の北海道弁だ。
その言葉どおり、北京五輪女子カーリングはラウンドロビン(総当たりの予選)から混戦を極めた。地力で勝るスイスやスウェーデンは途中から抜け出したものの、残りの8チームはどこが勝ち残るかわからない状態が最後まで続いた。
日本も序盤、紙一重の戦いのなかで勝ち星を積み重ねたが、苦戦を強いられたデンマークやROC(ロシアオリンピック委員会)が最終的には9位、10位に終わった。直接対決で完敗を喫し、クオリファイ(決勝トーナメント進出)をかけた4つの椅子を最後まで争った韓国でさえ、8位という結果だ。
逆に、日本が最も危なげない戦い見せた中国が4勝を挙げて7位。金メダルを手にしたイギリスにも土をつけている。
準決勝以降も、本命視されていたスイスとスウェーデンが滑り込みでクオリファイを果たした日本、イギリスにそろって敗退するなど、まさに何が起きてもおかしくないほどの激戦だった。おそらく五輪史上、最も熾烈でハイレベルな戦いだったのではないだろうか。
そのなかで、日本は4年前の平昌五輪の銅メダルを上回る銀メダルを獲得した。その価値は非常に高い。
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