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そうだったのか! 楢崎智亜が「無双状態」に
なるまでの進化の過程 (2ページ目)

  • 津金壱郎●取材・文 text by Tsugane Ichiro
  • photo by AFLO


 前者は楢崎がW杯初優勝を果たし、このシーズンにW杯年間王者まで駆け上がった第一歩目。後者は優勝して日本人男子初の快挙を成し遂げた瞬間だ。

 楢崎がW杯ボルダリングにデビューしたのは、高校3年だった2014年。5大会に出場し、中国・海陽大会では決勝進出して5位になったものの、3大会は予選落ちを味わった。

 2015年はW杯ボルダリングに5大会に出場し、2度の予選敗退で最高位は10位。世界トップレベルからは、まだほど遠い存在だった。

 その選手が2016年、ふたつの大きなタイトルを獲得して、一気に世界のトップへと駆け上がった。

 結果を見れば覚醒と言える。ただ、技術的な面にフォーカスすれば、楢崎が急成長したというより、ボルダリングの課題傾向が彼の得意とするものに近寄ったということが大きいように感じてならない。

 2016年シーズンは、IFSC(国際スポーツクライミング連盟)がオリンピックでの実施種目入りを目指していたこともあってか、前年までと課題の傾向が様変わりした。

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