2020.06.08

野口啓代、八王子で復活の狼煙。
東京五輪で「女王帰還物語」完結へ

  • 津金壱郎●取材・文 text by Tsugane Ichiro
  • photo by AFLO

東京五輪&パラリンピック
注目アスリート「覚醒の時」
第20回 クライミング・野口啓代
苦手を克服したワールドカップ・ボルダリング第4戦(2018年)

 アスリートの「覚醒の時」——。

 それはアスリート本人でも明確には認識できないものかもしれない。

 ただ、その選手に注目し、取材してきた者だからこそ「この時、持っている才能が大きく花開いた」と言える試合や場面に遭遇することがある。

 東京五輪での活躍が期待されるアスリートたちにとって、そのタイミングは果たしていつだったのか……。筆者が思う「その時」を紹介していく——。

東京五輪で野口啓代の笑顔を見ることはできるか 時代の荒波に飲みこまれてしまうかと思われていた元女王は、4年の歳月をかけて、再び世界の頂点を狙えるところに戻ってきた。

 野口啓代は2007年にW杯ボルダリングにデビューすると、2008年には日本人女子で初めてのW杯ボルダリングで優勝。2015年までにW杯ボルダリング年間優勝を4度も獲得した。

 その野口に転機が訪れる。