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小林陵侑がスキージャンプで偉業。
コーチの意外な言葉が心を軽くした (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by AFLO SPORT

 ただ、今季の小林は強かった。特筆すべきなのは、そういう時期があっても調子を大きく崩さなかったことだ。

「5戦を残してW杯総合優勝が決まりましたが、そこからも気を抜かずに戦えたというのは大きな収穫になりました。調子が悪くなっても今シーズンはずっとブレずにできたし、不安を持たずに続けられたことがかなり大きいと思います。スポーツでいい成績を残すのは簡単なことではないけど、その選手を支えてくれている人たちが周りにたくさんいることにも気がついたというか......。最後まで高いレベルで戦えたので、コーチングや体のメンテナンスをしてくれたチームの人たちに感謝しています」

 今季の第2戦で初優勝をして以来、28試合で積み上げた勝利数は13。これは15~16年のペテル・プレブツ(スロベニア)の15勝に次ぐ、08~09年のグレゴア・シュリーレンツァウアー(オーストリア)と並ぶ歴代2位の記録で、総得点数の2085点はシュリーレンツァウアーを2点上回るものだ。

「土屋ホームのヤンネ・バータイネンコーチは、いつも『ジャンプは簡単なものだ』と言ってくれるので、僕も安心して、そんな気持ちで考え過ぎずにできたのがよかったと思う。たぶん、シーズンを通してここまで調子を維持できる選手はほとんどいないと思うので、あまり考え過ぎずに次のシーズンも取り組みたいと思います。

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