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ショートトラック20年ぶりメダルへ。
応援団長・松田丈志が熱血エール (5ページ目)

  • 松田丈志●文 text by Matsuda Takeshi photo by AFLO

 そして、自分がオリンピックに行くことによって、母にもオリンピックを疑似体験してほしいと言う。母親の分まで五輪で戦いたいと思っている。

 今シーズン、吉永選手は新たな挑戦をして、平昌五輪への準備をしてきた。ショートトラックの強豪国、韓国への留学だ。

 昨年4月から韓国でのトレーニングを開始し、日本での試合や合宿以外は今シーズンのほとんどの時間をその地で過ごしてきた。

 韓国滞在中も美佳さんが現地まで来て、栄養士からのアドバイスを基に食事をサポートし、体質改善にも取り組んだ。

 世界トップレベルの選手たちと切磋琢磨するなかで、吉永選手が感じたのは技術やフィジカルの差よりも、メンタル面でのハングリーさだったという。それは勝利への執念とでも言い換えられようか。

 そこで学んだ執念は、2017年12月の全日本選手権でも垣間見えた。

 500m決勝のラスト1週、同じく平昌五輪代表となった横山大希選手がリードする展開だったが、吉永選手は最後のコーナーで追いつき、1000分の2秒先着し優勝したのだ。本人も「最後は勝ちたいという気持ちだけだった」と語っていたが、まさに"勝利への執念"が伝わってきたレースだった。

 成長を続ける吉永選手は平昌五輪での目標を次のように話した。

「平昌五輪では自分の持っている100%の力を出して、レースが終わるまで攻め続けて、1位を目指したい。金メダルを目指したいです。その思いは目標でもあって、自分に言い聞かせている。

 レースは2位を獲るために出ているんじゃない。一瞬でも守りに入ったら負けてしまう。最後まで1位を目指して攻め続けるレースをするからこそ、自分にも勝つチャンスがくると思う。今シーズンはそうやって結果が出ているので、これにこだわってレースをしていきたい」

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