ショートトラック20年ぶりメダルへ。
応援団長・松田丈志が熱血エール (6ページ目)
ただ、ショートトラックは"氷上の競輪"とも呼ばれ、駆け引きも多く、選手同士の接触や転倒も多いスポーツだ。
「レースは常に変動していて、自分ですべてをコントロールはできない。でも、そのなかでもある程度コントロールの主導権を握った時に、2番手にいる選手に対し、進路をブロックしようという考えに一瞬でもなると、スピードが落ちてしまう。そのスピードが落ちた時に抜かれてしまうことがあるので、最後まで攻め続ける。それができれば、金メダルも狙える」
吉永選手が駆け引きの存在を認めつつも、大事なのは「攻め続けることだ」と言い切ったことに驚いた。自分に集中し、力を最大限引き出せる選手こそ、栄光を掴む可能性が高いと考えているのだろう。
今大会は得意の1500mに加え、リレーでもメダル獲得を目指す。日本チームは男女ともにリレー種目でのメダル獲得を狙っており、ナショナルチームでの合宿でも連係めてきた。
リレーに関しても、吉永選手は力強くこう語る。
「今までで一番いいメンバーが揃っていると思うので、メダルを獲れると信じている」
将来的に日本のショートトラック界を引っ張っていける存在になりたいという吉永選手。初めての五輪で結果を出すことは簡単ではないだろう。だが、彼には母親とともに磨いてきたスキルと持久力、そこから生まれる平均速度の高さがあるし、韓国で学んだハングリー精神もある。
さらにはナショナルチームの体制が変わり、メダルの獲れるチームになろうと、今まで以上に磨いてきたチームワークもあるはずだ。チーム内には五輪経験者の坂爪亮介選手や伊藤選手、経験豊富なスタッフたちもいて、後押しをしてくれるだろう。
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