金メダル候補・渡部暁斗が強い理由が一読でわかる「深いインタビュー」
渡部暁斗インタビュー(1)
まもなく開幕する平昌五輪の直前の大会となったノルディック複合W杯白馬大会で、渡部暁斗がまたしても表彰台に上がった。1日目は優勝を果たし、2日目は3位。今季のW杯勝利数5でW杯総合1位に立っている。
今シーズンの調子や、取り組みについて語った渡部暁斗
1月26日からのW杯ゼーフェルト大会(オーストリア)では、前試合の成績が次の試合にも反映される特殊な試合形式の3連戦だったが、1戦目でゴール前0.5秒差の逆転勝利を挙げると、2戦目からは圧勝劇で3連勝を果たしている。
今季のW杯は昨年11月24日の開幕戦で3位になり、翌日の第2戦で優勝という滑り出しとなったが、序盤の勝利はケガを押してのものだった。大会直前にクロスカントリーの練習で、コースにあった氷の固まりを踏んで転倒、コース外に飛び出して肋骨を痛めていた。
「帰国してから診てもらったら、肋軟骨骨折と診断されたので、やっぱり折れていたんですよね。でも、骨がズレるのではなく、ヒビと骨折の間くらいだったのでよかった。12月16日のラムソー大会(オーストリア)くらいからは痛みもだいぶ少なくなってきて、上半身にもパワーが伝わる走りができ始めました」
その結果が3連勝であり、今年1月に入ってからの試合で残した5位、7位、2位という安定した成績にもつながっている。ジャンプの調子も上がり、平昌五輪の金メダルもグット近づいてきた。
そんな渡部が、ノーマルヒルの銀メダルを獲得した前回ソチ五輪で口にした言葉が印象に残っている。
《五輪でメダルが獲れたというのは、僕にとってすごく大きいことです。これでようやく自分の翼を広げられるというか......。僕がいくら「五輪よりW杯の方がレベルが高い」と言っても、周りからは「いやいや、そんなことはないでしょう。第一、五輪でメダルを獲ってないし」と言われるのがせいぜいですよね。でもメダルを獲ったから、そういう言葉がただの負け犬の遠吠えではなく、少しは受け止めてもらえるようになると思います》
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