ショートトラック20年ぶりメダルへ。
応援団長・松田丈志が熱血エール (3ページ目)
全日本選手権で総合優勝し、五輪出場を決めた吉永一貴 そして、そのエネルギーがどんどん大きくなり、爆発して、大きな壁を突き破る瞬間が来るのではないか、そんな期待感を抱いた。その瞬間を見たいと思うようになった。
そこから、私は陰ながらショートトラックを応援させてもらっている。2017年2月には札幌冬季アジア大会も現地に駆けつけ、代表選手たちとコミュニケーションをとらせてもらった。
このような関係を築いてきたなかで、私が平昌五輪で注目するのは吉永一貴選手だ。
吉永選手は、平昌五輪代表選手最終選考会となった2017年12月の全日本選手権で総合優勝を果たし、日本男子ショートトラック史上最年少の代表になった。
2月9日の平昌冬季五輪開会式を18歳193日で迎える"最年少"ではあるが、全日本選手権2度の総合優勝の実績を持つ日本のエースだ。
私が吉永選手に初めて会ったのは、先に述べた2016年10月の合宿だ。その時の印象は、寡黙で黙々と練習に打ち込んでいる少年というものだった。しかし、今年1月4日に野辺山を訪問し、改めてインタビューをした時は、逞しく成長した姿を見せて、オリンピックにかける強い想いを感じさせてくれた。
吉永選手がショートトラックを始めたのは小学2年生の時。当時、サッカーや水泳もやっていたが、たまたま母親に連れていかれたショートトラックの大会で、その競技を目にした瞬間、とても輝いて見えて、自分もやってみたいと強く思ったという。その時のことは今でもしっかり覚えているそうだ。
実は吉永選手の母・美佳(旧姓・加藤)さんは、ショートトラック競技で全日本選手権を3連覇したトップスケーターだった。
当時の吉永選手はそんなことは知らず、ただただ、この競技をカッコイイと思った。
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