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10個を超えて過去最高へ。
平昌五輪のメダル数を冷静に予想してみた (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Noto Sunao/JMPA

 前回の2014年ソチ五輪では、金メダル1を含めて8個のメダルを獲得した日本だが、今回の平昌五輪はそれ以上のメダル獲得が期待されている。その原動力となるのは、前回はメダル0に終わったスピードスケートでの女子の充実だろう。

 その筆頭が、500mでは昨季から国際大会を含めて無敗記録を続けている小平奈緒(相沢病院)だ。男子と練習する中で滑りをさらにダイナミックにし、W杯第2戦のスタヴァンゲル大会(ノルウェー)では2本を、37秒08と37秒07のタイム。昨季終了後に小平が「見えてきた」と話した、前人未到の平地(標高1000m未満)での36秒台の可能性も感じさせた。

 一緒に練習している山中大地(電算)は、前回五輪出場の1000mだけでなく、500mでもW杯ランキングで日本人トップの7位。実績ある選手と練習をすることで小平が持った自信は、ちょっとやそっとでは揺るがない。

 1000mも今季W杯で転倒したカルガリー大会以外のすべてのW杯で優勝しており、彼女自身がコーナーの滑りを卒論のテーマにしたほど好きな種目だ。女子2種目目の1500mにも出場して足慣らしできることも、大きなプラス材料だろう。

 また、高木美帆(日体大)もW杯1500mで4連勝していて優勝候補筆頭の位置にいる。ただ、「W杯で勝っているからといって絶対だとは思っていない」と高木が言うように、本番に向けて調子を合わせてくるヨーロッパ勢などの巻き返しも気になるところ。とはいえ、メダル獲得は堅いだろう。

 W杯では、3戦すべてで小平に次ぐ2位になった1000mでも高木美帆のメダル獲得の可能性は高く、彼女を中心にして姉の菜那(日本電産サンキョー)と菊池彩花(富士急)、佐藤綾乃(高崎健康福祉大)で組むチームパシュートも、今季W杯で3戦連続世界記録更新の絶対的な強さを見せている。この種目もオランダ勢の巻き返しが不気味だが、金メダルに最も近い位置にいる。

 以上のように、金の可能性は500mと1000m、1500m、チームパシュートの4種目にある。さらに500mでは今季ソルトレイクシティで世界歴代9位の37秒05まで記録を伸ばした郷亜里沙(イヨテツク)も銅メダル候補。高木菜那と佐藤が出場するマススタートは展開次第だが、W杯では3位と1位という実績もあるだけにこちらもチャンスがあり、スピードスケート女子でメダルを量産しそうな勢いを見せている。

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