10個を超えて過去最高へ。平昌五輪のメダル数を冷静に予想してみた (4ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Noto Sunao/JMPA

 史上最多8度目のオリンピック出場となる葛西紀明が注目を集めるジャンプで、男子は厳しい状態だ。では、女子はどうか。シーズン開幕からマーレン・ルンビ(ノルウェー)とカタリナ・アルトハウス(ドイツ)の勢いに後れをとった高梨沙羅(クラレ)にもメダルの可能性はある。

 まだ今季のW杯で未勝利とはいえ、平昌前最後の試合となったリュブノ大会の2日目の4位は、上位3人より風の条件が悪い中でのジャンプだった。それでいて、優勝したダニエラ・イラシュコ(オーストリア)には5.8点差、3位のアルトハウスには2.7点差という僅差の戦いをすることができた。

 ずっと課題にしていた着地のテレマーク姿勢も決まり、飛型点は55.5点、56点と2本とも全選手中最高得点を叩き出している。苦手だったテレマークを決められるようになったのは、踏み切りからのつながりがよくなってきたという証拠。上り調子で本番を迎えられそうだ。

 このように、雪上競技も金メダルを含め、メダル量産の可能性を秘めている。

 これまでの冬季五輪での最高メダル獲得数は、1998年長野五輪の金5、銀1、銅4の合計10個。今回の平昌は金メダルの数も含めて長野の記録を上回り、総数でも過去最高となりそうな勢いを感じる。

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