バドミントン松友美佐紀。金メダリストは
5年前、何を語っていたか

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi

「それまでは、水泳や器械体操をやっていましたけど、親に『私はバドミントンをやる!』と言って、他はすべてやめたんです。だいたい、他のスポーツはセンスがなかったんですよ。器械体操では幼稚園のときの演技発表会で、両親が見に来て張り切ってしまい、跳び箱に身体ごと突っ込んでいましたから(笑)」

 しかし、バドミントンはやればやるだけうまくなった。ゆえに、楽しくて仕方がなかったという。

「だから、これまで一度もやめたいなんて思ったことはありません」

 一方で、試合に負けるとボロボロに泣いてしまうほどの負けん気の強さを秘め、それも拍車となってますます上達していった。両親も熱心にサポートしてくれ、小学校2年生の頃からは、すべての試合をビデオに撮影。家に帰って、その映像を見るのが習慣になっていた。

「ビデオを見ながら、両親にはすごく怒られるんです。でも私自身、試合の映像を見ることで『ここがダメなんだ』というのがわかる。身体が小さかったので、パワーで押してくる相手は苦手だったんですけど、そのためにはどうすればいいか、というのも映像を見ながらいつも考えていました。相手の嫌がるところにシャトルを打てば、厳しい返しは来ないだろうな、とか」

 中学校時代の通知表はオール5。頭脳明晰な松友は、幼い頃から考えながらプレーすることを習慣づけられ、相手の球筋を見極めて戦う能力を磨いてきた。

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