バドミントン松友美佐紀。金メダリストは5年前、何を語っていたか (4ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi

「私の試合の前に、池田信太郎さんと潮田玲子さんがすごい試合をしていたから、『こんなに盛り上がった後に、ボロボロで負けたらどうしよう』と思っていたんです。それで、1ゲーム目はガチガチに緊張して簡単に取られてしまいました。けれども、2ゲーム目に『ここまで来たら思い切りやろう!』と開き直ったら体も動いてきて、ゲームを取れてしまった。それで驚いていたら、ファイナルでもリードしたので、もっとビックリしてしまって。普段どおりに装っていましたけど、内心は『えっ、勝っちゃう? どうしよう、どうしよう』とドキドキしていました(笑)」

 結局、22-24で逆転負け。金星はならなかったが、自らの成長を実感できる戦いに満足した。

 その後、高橋とのダブルスで日本代表入りし、2010年4月には日本ユニシスに入社。バドミントンにより専念できる環境で、さらに進化を遂げた。ダブルスでは、韓国オープン8強、全日本社会人で優勝し、全日本総合3位という結果を残した。シングルスでも世界ジュニア2位と好成績を残して、シングルスとダブルスの選択に「どうしようか悩んだ時期もあった」という松友だが、ロンドン五輪出場権を争うポイントレースが始まった今季は、ダブルスに専念。10月13日時点で、世界ランキング17位につけている。

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