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【F1】角田裕毅が攻めのチーム戦略に応えて初入賞 合格点のレースにホーナー代表からも「よくやった」

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

F1第4戦バーレーンGPレビュー(後編)

◆レビュー前編>>

 F1第4戦バーレーンGP決勝。10番グリッドからのスタートとなった角田裕毅にとって、決して楽な展開にはならなかった。

 スタートからルイス・ハミルトン(フェラーリ)たちと果敢に戦い、さらに上を目指していった。だが、レッドブルは2台ともにピットストップシグナルにトラブルが発生して大きくタイムロスし、ピットストップでポジションを落としてしまった。

 さらに3周フレッシュなタイヤで攻めてくるカルロス・サインツ(ウイリアムズ)とのバトルで、角田は2度にわたってマシンが接触するなど、タイムロスも喫した。

角田裕毅の見事な走りにチームスタッフも賞賛 photo by BOOZY角田裕毅の見事な走りにチームスタッフも賞賛 photo by BOOZYこの記事に関連する写真を見る しかし32周目、セーフティカーが入ったところでレッドブルの戦略が光った。

「あそこでソフトに履き替えたのは驚きでしたけど、あれはレッドブルだからこそだと思うし、さすがレッドブルだなと思いました。ソフトを履くとは思っていませんでしたから」

 第2スティントでミディアムを使ってしまっていた角田に残されたのは、ハードかソフト。しかし、ハードは第2スティントでフェルスタッペンがペース不足に苦しんでおり、レッドブルはまだ20周以上の周回が残るものの、ソフトタイヤを角田に履かせた。

 その攻めの戦略に対して、角田もしっかりと応えてタイヤを保たせながら、前のジャック・ドゥーハン(アルピーヌ)を抜いて9位に浮上してみせた。

 土曜から重めのリアウイングを選択していた角田は、ストレートスピードが伸びず、前のエステバン・オコン(ハース)を抜ききれなかった。ただ、軽いウイングのフェルスタッペンが最後にようやくピエール・ガスリー(アルピーヌ)を抜いて6位でフィニッシュするのが精一杯だったことを思えば、十分に賞賛されるべきレースだった。

 しかし、角田はそれに満足してはいなかった。いや、もっといけるという手応えをつかんでいた、と言うべきだろうか。

「みんなごめん、ペースはあったのに......」

 これに対し、クリスチャン・ホーナー代表は「いい努力だったよ、ユウキ。このチームで初ポイントだ。大丈夫、よくやった。すばらしいドライビングだった」と声をかけた。

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著者プロフィール

  • 米家峰起

    米家峰起 (よねや・みねおき)

    F1解説者。 1981年1月31日生まれ、兵庫県出身。F1雑誌の編集者からフリーランスとなり2009年にF1全戦取材を開始、F1取材歴14年。各種媒体に執筆、フジテレビNEXTやYouTube『F1LIFE channel』での解説を務める。

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