【レスリング】吉田不在の全日本選手権、開幕。
ライバル・村田夏南子が語る「五輪への思い」 (2ページ目)
日大での練習では男子相手にスパーリングする村田。筋トレも男子と同じメニューだ 結局ポイントは奪えず、このピリオドを7-0で落とした村田は、続く第2ピリオドも6-0で失ってストレート負けを喫した。しかし、吉田の上のポジションを取りかけた一瞬だけでも、彼女のポテンシャルを感じさせた一戦だった。
吉田との2度目の対決は、2011年春の全日本選抜選手権決勝戦。この時、村田は吉田にタックルを積極的に仕掛けていく作戦に出て、第1ピリオドに1ポイントだけ奪っている。「コーチと研究して、出てくる足に対してタックルに入ろうと思いました」。
だが、結果はまたもストレート負け。村田は唇を噛みしめた。
「吉田さんは小さいころからレスリングをやっている人なので、受けていても凄さを感じます。他の選手とは当たり方が明らかに違う」
そして、同年12月の全日本選手権決勝戦で、早くも3度目の対決を迎える。村田は第1ピリオドから積極的に攻め込み、片足タックルからバックを狙う。腕立て伏せの体勢で必死にしのごうとする吉田だったが、村田はこれを潰してポイントを奪った。
「あの時は歯車(リズム)がうまく噛み合ったから、ポイントを取れたんだと思います」
スコアは2-2だったが、ビックポイント(※)の差でこのピリオドを落とすと、第2ピリオドも1-0で惜敗。あと一歩というところまで追い込んだが、またしても吉田に敗れてしまった。
※ビックポイント=反則・警告の差がなければ、大技(2点技・3点技)をより多く決めた選手の勝利となる。
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