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【レスリング】吉田不在の全日本選手権、開幕。
ライバル・村田夏南子が語る「五輪への思い」 (4ページ目)

  • 布施鋼治●文・撮影 text & photo by Fuse Koji

 富山の評価を伝えると、村田は苦笑いを浮かべながら、「本当に私は防御がダメ」とうなずいた。「相手のフェイントに引っかかったり、そこまで反応しなくてもいいのに過剰に反応してしまうことがあるんですよ」。

 課題をクリアするためには、練習を積み重ねるしかない。桜上水にある大学のキャンバスに通いながら、村田は空いている時間を決してムダにはしない。

「授業の1コマ、時間が開いたら、学校のトレーニングルームで練習するようにしています。学食で談笑? そういう時間はないです」

 教え子のやる気を、富山監督は大いに買う。

「道場に入った瞬間から、村田は顔つきが違う。世界を狙える顔ですよ」

 まずは全日本初制覇、そして世界へ――。吉田沙保里の君臨する女子55キロ級で、村田夏南子は挑み続ける。

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