本田真凜が宇野昌磨と共有する楽しさ　『Ice Brave』で実現したアイスダンスでも天性の可憐さを放つ (4ページ目)

【ふたりで共有した、滑る楽しさ】

　転向は断念した。しかし、試行錯誤がめぐりめぐって、今回のアイスダンスで実った。スケーティングセンスと即興力もあるだろうが、短期間で驚くべき進化を遂げつつある。

　言うまでもないが、宇野との相性のよさがあるのだろう。

"滑る楽しさ"。その部分でふたりは強く共感していた。

「楽しいっていう気持ちが根本的にあると、表現するスポーツだけに結果にも内容にも出るんだと思います。スケートを楽しむ、練習を楽しめるという状態が選手にはベストで、それを自分自身で見つけ出したのが、宇野選手にとって大きかったのだと思います」

　本田は当時、まだプロ転向前の選手だった宇野について語っていた。アイスダンスに取り組むことで、ふたりは楽しさを共有している。その絆は強いだろう。彼女自身、スケーターとして高みにたどり着いた宇野に、あらためてポテンシャルを引き出されたのかもしれない。

「スケートを始めた２歳の時には、引退発表している自分の姿は想像できなかったので。この景色を伝えられたら、すごくびっくりするんじゃないかと思います！」

　引退会見でそう語っていた本田は、アイスショー『Ice Brave』で次の景色の真っただ中にある。

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