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本田真凜が宇野昌磨と共有する楽しさ 『Ice Brave』で実現したアイスダンスでも天性の可憐さを放つ (3ページ目)

  • 小宮良之●取材・文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

【じつはアイスダンスを練習した時期があった】

 そして最大の見せ場が、宇野とカップルを組んだアイスダンスだった。どれだけ練習を積んだのか。昨年10月から練習をスタートしたようだが、『Wild Side』で息はピッタリだった。ツイズルも回転が合っていて、それは驚きに値した。このまま練習を積めば、オリンピックも不可能ではない......と思わせるほどのプログラムだった。

 もっとも、本田はアイスダンス未経験者ではない。

「じつは私、アイスダンスを練習していたことがあります。2021年1月から5月くらいまでやっていて。靴もアイスダンスの靴にして練習したんですが、本当に、本当に難しかったです」

 昨年3月のインタビューで、本田はそう明かしていた。

「靴が違うと、まったく別の競技をしているんじゃないかという乗り心地でした。(アイスダンスの靴は)すごくエッジが短くて、不安定。慣れてきたらスケーティングはこっちのほうがやりやすいと感じるようになったんですが......ふたりでひとつの動きをミリ単位で合わせるのはアイスダンスならではですね。

 たとえばスピンも、シングルでは軸が自分の身体の真ん中にあるんですが、ダンスではふたりの真ん中が軸になるんです。だから、乗り方が全然違う感じ。エッジの傾け方もそうですし、重心もつねにまっすぐではないので、シングルとはまったく別だと思いました。でも、同時にとてもおもしろい競技だと感じました」

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 彼女は、シングルからの転向も考えていた。パートナーさえタイミングよく見つかっていたら、その人生もあったかもしれない。

「一回やってみたいなと思っていたので取り組むようになって、のめり込んでいました。いろんな方に『アイスダンスやらないの?』と言ってもらっていたのもあって始めたんですけど.......パートナーが必要な競技ですし、練習拠点の問題もあって。私は当時大学に入ったばかりで、ずっと海外へ行くのも難しい時期だったということもあります。パートナーを選ぶとなると、兼ね合いは難しく、アイスダンスは解散したりするカップルもいるので。そうした難しい面もある競技ですけど、だからこそ奥が深くて楽しいと思います」

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