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坂本花織が「限界突破!」 たくさんの課題を財産にしてミラノ五輪へ向けポジティブ (4ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

【団体戦の優勝争いでカギをにぎる】

 自身の集大成と位置づけている五輪シーズンへ向かって新しいプログラムを仕上げていこうとしている。次の五輪に条件付きで復帰してくるロシア選手との戦いに加え、坂本の演技は団体戦(ロシアは参加できない)でもキーポイントになるのは間違いない。

 団体戦の前哨戦とされた今回の世界国別対抗戦を見れば、五輪での優勝争いは日本対アメリカの構図になりそうだ。そのなかでペアとアイスダンスの得点争いはアメリカが優位だが、その得点差はわずかだろう。

 また、男子シングルでは、アメリカのイリア・マリニンの力は絶対的だが、団体フリーから中1日で男子SPが始まる日程を考えれば、マリニンを両方とも使う可能性は低く、つけ入る隙はありそうだ。一方、女子シングルは、団体フリーから女子SPまで中6日あるだけに、勝負をかけるなら坂本をSPとフリーの両方に起用という戦略も考えられ、重要度はより増してくる。

 納得しきれないシーズンだったからこそ、次につながるというポジティブな思考をする坂本。悔しさとともに楽しさも全開で味わった今回の国別対抗戦は、勝負の来季へ向けて大きなエネルギーにもなったはずだ。

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著者プロフィール

  • 折山淑美

    折山淑美 (おりやま・としみ)

    スポーツジャーナリスト。1953年、長野県生まれ。1992年のバルセロナ大会から五輪取材を始め、夏季・冬季ともに多数の大会をリポートしている。フィギュアスケート取材は1994年リレハンメル五輪からスタートし、2010年代はシニアデビュー後の羽生結弦の歩みを丹念に追う。

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