【国別フィギュア】アリサ・リウは見る者を明るい光で照らす 驚異的な復帰も「これが私の上限ではない」
世界国別対抗戦でSP、フリーともに1位にとなったアリサ・リウこの記事に関連する写真を見る
【天才少女から休養のち世界女王】
天才少女から世界女王へ。アリサ・リウ(19歳/アメリカ)は、史上最年少の13歳で全米選手権を制したのち、2022年の北京五輪に出場。そのシーズンの世界選手権では、初出場ながらも銅メダルを獲得した。輝くような明るい笑顔とはつらつとした演技で世界を魅了したアメリカのスターは、16歳で「フィギュアスケートの目標を達成できた」と競技を引退。スケート靴を履くことなく、学生生活を楽しんでいた。
2年間の休養期間についてリウは、「たくさんのことをしてきました。私はご存じのとおりスケートばかりしてきたので、世のなかにあるさまざまな部分を探究したいと思ったんです。ショーやハイキング、水泳、旅行にも行きました。絵を描いたり、縫いものをしたり、パズルをしたり、映画もたくさん観ました。ほかのスポーツ、たとえばバレーボールやテニス、卓球などなど、やりたいことをすべてやりました」
そんなリウが今季、競技に復帰。チャレジャーシリーズ、グランプリシリーズに出場し、全米選手権では2位。今年2月の四大陸選手権と3月の世界選手権への出場権を勝ち獲った。ホームカントリーであるアメリカのボストンで開催された世界選手権では、ショートプログラム(SP)、フリーともに生き生きとした滑りを見せ、金メダル。最高のかたちで復帰シーズンを飾った。
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著者プロフィール
山本夢子 (やまもと・ゆめこ)
スポーツライター。青森県八戸市出身。5歳からフィギュアスケートを習い始め、高校卒業まで選手として各大会に参加。その後、渡米し大学を卒業、就職。帰国後は、コピーライターとして広告制作に携わる。2005年からフリーランス。現在はライターとしてフィギュアスケートの専門誌を中心に執筆中。