【フィギュア】ミラノ五輪で日本はメダルを獲れるか? 勝負のカギは「カップル競技」
【前哨戦はアメリカに次ぐ2位】
2年に1度開催される、フィギュアスケートの世界国別対抗戦が盛況のうちに幕を閉じた。各国の主要選手たちが、極めた技で競い合った。一体感にあふれた祭典だったと言える。
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一方、それは2026年2月のミラノ・コルティナダンペッツォ五輪に向けた"新シーズンの序章"も意味していた。
国別対抗戦は五輪団体戦の前哨戦。フィギュアスケート関係者のなかでも、そう位置づけられていた。レギュレーションは同じではないが、男女シングル、ペア、アイスダンスのポイントで争い、総合力が求められる。ひとつの試金石になるだろう。
チームジャパンは、ミラノで団体のメダルを獲れるのか?
2022年の北京五輪、日本は団体戦で史上初のメダルを獲得している。10チームで戦い、日本は男女シングル、ペアでポイントを稼ぎ、アメリカに2点差まで迫った。そして、暫定1位だったロシアがカミラ・ワリエワのドーピング違反で失格になったことで、昨年夏に正式に銀メダルへと繰り上がった。
6チームでの国別対抗戦で、日本はアメリカと1位を争った。結果、アメリカが126点で1位、日本が110点で2位と後塵(こうじん)を拝したが、前回大会が3位だったことを考えれば上々だろう。3位にはカップル競技に強いイタリアが86点で入り、4位のフランスが78点、5位のカナダが72点、6位のジョージアが68点と続いた。
ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪でも、日本のメダル獲得は有力と言える。アメリカと金色を争うことになるはずだ(ロシアは2022年2月にウクライナを侵攻した制裁で、国を代表しての五輪参加は禁止)。
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著者プロフィール
小宮良之 (こみやよしゆき)
スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。