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【国別フィギュア】アリサ・リウは見る者を明るい光で照らす 驚異的な復帰も「これが私の上限ではない」 (2ページ目)

  • 山本夢子●取材・文 text by Yamamoto Yumeko
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

【心から楽しみながら首位の演技】

 今季最後の試合となる世界国別対抗戦(4月17〜19日)では、初参加となるチーム競技を心から楽しんでいるリウがいた。「チームボックス」と呼ばれるチームごとに分かれた席に座り、大きな声でチームメイトを応援する。自身のSPでもスムーズで伸びやかな滑り、着氷後も途切れることなくスピードを保つジャンプなど、彼女のスケートの優しさや繊細さを余すことなく表現し、首位に立った。

 演技後、リウは、「チームのためにポイントを追加する十分な演技ができたと思います。クリーンなプログラムができて本当にうれしい。ほかのスケーターの演技を見ると全員が驚異的な出来だったので、その勢いをキープしたかったんです。それを達成できてうれしいです」と弾けるような笑顔を浮かべた。

 キス&クライで点数を待つ間のパフォーマンスも団体戦の見どころのひとつ。リウの演技後、自国のほかのスケーターたちが左右にはけると、中央にはリウが浮き輪に乗ってポーズを取っていた。

「ジェイソン(・ブラウン)のアイデアでした。私はそのプランを知らなかったんですけど、チームメイトが『浮き輪に座って。私たちがあなたを扇ぐ演技をするから』と。やってみて、すごく楽しかったです。誰かがその動画を投稿していないか探してみようと思っています。きっとすごくよい出来だと思う。私たちはおふざけが好きなんです」

 お祭りのようなチームイベントを心から楽しんでいるリウだが、試合前にも日本を楽しんでいた。昨年11月のNHK杯で来日した際、「カットモデルに」と声をかけてきた美容師に連絡を取り、新しいヘアスタイルに変身していたのだ。

「NHK杯の時は時間がなくてできなかったけれど、今回の来日でヘアカットとブリーチをしてもらおうかなと思ってメッセージを送りました。そしたら彼が覚えてくれていて、カットとブリーチとトリートメントを3時間くらいかけてしてくれました。だから私の髪は今、ものすごく健康的です(笑)。デザインについては、私は物事を木のように考えるのが好きなんです。木の年輪は毎年、年齢ごとにリングが増えていきますよね。だから最初のカラーは2023年の冬、次に2024年の全米選手権のあとに追加しました。これからも毎年、リングを追加していくつもりです」

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