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【国別フィギュア】アリサ・リウは見る者を明るい光で照らす 驚異的な復帰も「これが私の上限ではない」 (4ページ目)

  • 山本夢子●取材・文 text by Yamamoto Yumeko
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

【これが限界でも上限でもない】

 2026年に控えるミラノ・コルティナダンペッツォ五輪について、「北京五輪の前は、次の日に氷の上に立てるかどうかわからないほど、絶え間ない戦いの日々でした。でも、今は五輪まですごく時間があります。まだトレーニングに戻ってきてから1年も経っていないので、五輪前に1年あるということはちょうど半分まで来たということだと思います。オフシーズンは一生懸命にやって、4倍くらい進歩できるように頑張ります」と話す。

 休養前は、トリプルアクセルや4回転という高難度ジャンプも武器のひとつだった彼女だが、今季はその武器を持つことなく演技の完成度を磨いて世界の頂点に立った。だが、来季、トリプルアクセルを戻してくることは、確実に計画のうちに入っているという。さらに、オフの練習では筋力や体幹を鍛え、4回転にも着手するかもしれないと彼女は明かす。ただし、「長くスケートをしたいので、ケガのリスクはおかしたくないんです。だからまだ未定です」。

 リウの驚異的なカムバックシーズンは、チームUSAの優勝で幕を閉じた。このシーズンを彼女は「大きな意味がありました」と振り返る。

「復帰シーズンがこんなにうまくいくなんて、思ってもいませんでした。だからすごくうれしいですし、来シーズンに向けての勢いにもなります。それに、もっと頑張りたいとも思わせてくれました。なぜならもっともっとできるとわかっているので。これが私の限界でも上限でもありません。だから未来が楽しみです」

 すべてを照らすような輝きを放つ彼女のスケートは、これからどんな進化を遂げていくのだろうか。その軌跡を見つづけていきたい。

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著者プロフィール

  • 山本夢子

    山本夢子 (やまもと・ゆめこ)

    スポーツライター。青森県八戸市出身。5歳からフィギュアスケートを習い始め、高校卒業まで選手として各大会に参加。その後、渡米し大学を卒業、就職。帰国後は、コピーライターとして広告制作に携わる。2005年からフリーランス。現在はライターとしてフィギュアスケートの専門誌を中心に執筆中。

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