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【世界フィギュア男子】鍵山優真はイリア・マリニンに大差の敗北 五輪へ向け求められる「無敵の人」の隙をつく準備 (5ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi

【日本勢のレベルアップに期待】

 また今大会6位に終わった佐藤も初出場に加え、五輪出場枠がかかる状況のなか、プレッシャーに襲われる演技になった。SPは4回転+3回転の連続ジャンプが、4回転と2回転になり、後半のスピンとステップのレベルも取りこぼして91.26点にとどまった。

 だが、フリーでは4回転トーループと4回転フリップのエッジエラーはあったものの、きれいで流れのある正確なジャンプを見せていた。

「緊張を通り越して怖さも感じるようななかで納得できるフリーの演技ができたのは、自分にとってすごくうれしいことだし、成長を実感できました」と、佐藤は話した。

 まだスピンやステップの取りこぼしもあり、ジャンプなどのGOE加点を増やしていく課題はあるが、克服してくれば演技構成点も上がってくる。合計300点台に限りなく近づける力はあるだけに、今季は一気に飛躍した今回2位のミハイル・シャイドロフ(カザフスタン)や、昨季世界選手権3位のアダム・シャオイムファ(フランス)らとの表彰台争いを佐藤にも期待したい。

 今季の世界選手権もマリニンの強さを見せつけられる戦いになったが、日本勢の可能性も垣間見える大会だったといえるだろう。

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著者プロフィール

  • 折山淑美

    折山淑美 (おりやま・としみ)

    スポーツジャーナリスト。1953年、長野県生まれ。1992年のバルセロナ大会から五輪取材を始め、夏季・冬季ともに多数の大会をリポートしている。フィギュアスケート取材は1994年リレハンメル五輪からスタートし、2010年代はシニアデビュー後の羽生結弦の歩みを丹念に追う。

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