【フィギュア四大陸・男子】壷井達也、ほろ苦い世界デビュー 代表の重圧を「乗り越えないといけない」 (2ページ目)
【「緊張で足に力が入らなかった」】
本人もそれを痛感したようで、「4回転サルコウを、いつ何時でも跳ばないといけないということを思い知らされました。世界選手権に向けてSPをしっかりまとめる力をつけていきたい」と振り返った。
SPで見えた課題と反省を踏まえた臨んだ22日のフリー。転倒こそなかったものの、冒頭の4回転サルコウの連続ジャンプで、ふたつの3回転トーループの前にオーバーターンが入ってしまう。さらに2本目の4回転サルコウの着氷が乱れ、トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)も着氷が詰まって前のめりになるなど、GOE(出来栄え点)で大きな減点となった。プログラム後半のジャンプはしっかりと跳んでGOE加点もされたが、上位争いには一歩及ばない156.86点にとどまった。合計でも234.93点と自己ベスト(昨年のNHK杯での251.52点)にも遠く及ばず、総合5位に終わった。
結果を出すことができなかった世界デビュー戦を、壷井はこう振り返った。
「SP、フリーとも今まで以上に緊張して、特にフリーは緊張して足に力が入らなくて、いつも以上に体力を奪われる試合でした。NHK杯や全日本は挑戦者という立場で、言い方は悪いんですけど、『勝てたらいいな』という気持ちで臨んでいたんですけど、やっぱりこの試合は、これまでの自分の注目度としては全然違いますし、結果を求めて臨む試合だったので、やっぱり緊張をすごく感じました。
もっといい演技ができていれば表彰台も狙えたなと、結果を見て思うので、やっぱり悔しいです。大会前の練習ではSP、フリーともに追い込んではきましたが、100%の自信があったかというと、そうではなかったので、やっぱりもっとちゃんと仕上げて臨みたかったなと思います。NHK杯のときは本当に絶対できる自信があったので、そういった状態にもっていかなかったなと思いました」
世界デビューの切符を手に入れた昨年末の全日本選手権までの自分と、世界選手権代表となったいまの自分は「気持ちの面では本当に全然違うと感じています」と言う。肩書を得たことによって自負心も芽生え、責任感とそれに伴うプレッシャーは、想像をはるかに超えるものだったのかもしれない。
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