【フィギュア四大陸・男子】壷井達也、ほろ苦い世界デビュー 代表の重圧を「乗り越えないといけない」
ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪のプレシーズンとなる今季、22歳の壷井達也は、遅咲きの花を開かせ、世界デビューへの道を切り開いた。
昨年11月、グランプリ(GP)シリーズで唯一出場したNHK杯で3位と躍進して初表彰台に上ると、12月の全日本選手権でも初表彰台となる3位となり、来月、アメリカ・ボストンで開催される世界選手権の代表の座をつかんだ。今季、さまざまな"初体験"を経験してきた壷井にとって、世界選手権の前哨戦となる初出場の四大陸選手権は、自分の力がどこまで通用するかを見極める大事な一戦だったに違いない。しかし、世界に通じる道には大きな壁が立ちはだかっていたようだ。
四大陸選手権で総合5位に終わった壷井達也 photo by Raniero Corbelletti/AFLOこの記事に関連する写真を見る 20日に行なわれた男子ショートプログラム(SP)は、及第点の演技でまとめたが、大きな武器となる冒頭の4回転サルコウで転倒して得点が伸びず、78.07点の6位と出遅れた。
「世界選手権前の大事な試合なので、ノーミスの演技をしたかったし、4回転サルコウを跳んでおきたかったなという気持ちはあります。ただ、今日(20日)の朝の公式練習から、なかなかはまらないジャンプが増えていて、6分間練習で修正しきれたかなと思ったんですけど、ちょっと崩れていた部分が本番に出てしまっていたかなと思います。
冒頭の4回転サルコウを転んでちょっと焦りはしましたが、それ以外のエレメンツでは練習から不安要素とかはまったくないので、いつもどおりやることを心がけました。NHK杯、全日本からジャンプ以外の部分をしっかり練習してきたので、ジャンプを1本ミスったとしても、それをカバーできるようなほかの質の高いスピンやステップができたんじゃないかなと思います。4回転サルコウをミスしたなかではいい点数をもらえたのかなと思います」
試合で跳んだ4回転ジャンプはサルコウの1種類だけで、この大技ジャンプもまだ完成形には至っていない。試合や時期によって安定感が左右されている状態だという。それだけまだ伸びしろはあるのだが、試合本番で得点源となる4回転ジャンプを跳びきらなければ勝負にならないことは言うまでもない。
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