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本田真凜がプロデビューで語ったショーへの特別な思い「お客さんに楽しんでもらうのが一番。これからのびのびできるかな」 (2ページ目)

  • 小宮良之●取材・文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

【いろんな表情や表現を出せるように】

 今年1月、本田は大学を卒業する22歳で現役引退を発表している。昨年12月、9年連続エントリーとなった全日本選手権が最後の大会となった。

「どんな瞬間を振り返っても、すべての思い出にスケートがあります。長い競技生活、いい時もそうでない時も、たくさんの方に寄り添ってもらって幸せでした。これからたとえ表に出なくなっても、どこかでスケートを滑り続けているんじゃないかって」

 本田は引退会見で、スケートと出会えた幸せを話していた。競技には別れを告げることになったが、思いそのものは変わらないのかもしれない。

「小さい時は、あまり何も考えずに取材で『アイスショーに出たいので、試合を頑張ります』って言っていました(笑)」

 本田はそう言って少し恥じらうような笑顔を見せ、こう続けている。

「それくらい、アイスショーで氷の上でのびのびと滑って、お客さんに楽しんでもらえるというのは素敵で、すごく好きでした。今はその場所に立てるようになったので、これからは大ちゃんのように、いろんなジャンルで、いろんな表情や表現を出せるように頑張りたいです!」

 この日、本田はショーの前半に先陣をきるように、ピンクとバイオレットを基調にゴージャスな刺繍やストーンが散りばめられた衣装で登場した。ディズニー映画のキャラクターになりきって、『リトルマーメイド』を披露。上半身を反る形のイナバウアーや優雅なスパイラルで、きらきらと表情を輝かせていた。可憐で活力に満ち、彼女だけの世界観があった。

「今回は大ちゃん"さん"とジャンプを一緒に練習させてもらって、久しぶりに感激しました!」

 本田は明るい声で言った。

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