本田真凜がプロデビューで語ったショーへの特別な思い「お客さんに楽しんでもらうのが一番。これからのびのびできるかな」 (3ページ目)
【プロスケーターとして第一歩】
「今日滑った曲は、試合で使っていたのを皆さんに楽しんでもらえるように、アイスショー用にアレンジしました。自分の出番の前が(ミュージカル歌手の)生歌のプログラムで、とても幸せな雰囲気で。緊張しながら(自分の順番を)待っていました」
プロスケーターとしての第一歩は、上々だったと言えるだろう。
「いろいろ苦しいこともありましたが、スケートをしていたからこそ自分がいて。それは幸せなことです」
本田は競技者としての幕を閉じた全日本選手権後に語っているが、その戦いは表現者としての土台にもなるだろう。
「6分間練習の時から、たくさんの方にバナーを掲げていただいたり、『真凜ちゃん、頑張れ』と声をかけてもらったり。数年前の自分は、こんなたくさんの応援があることに気づけていませんでした。(気づいたからこそ)最後まで勇気を持って戦えたんだ、と。トリプルサルコウを跳んでフィギュアスケーター、競技者として戦えたことを誇りに思っています」
本田はこれからも氷の上に立つ。そこが彼女の居場所だ。
『プリンスアイスワールド』東京公演は1月21日まで、3日間にわたって開催される。
著者プロフィール
小宮良之 (こみやよしゆき)
スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。
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