本田真凜、全日本で「人生を表現したい」「感謝の気持ちはスケートで返すしかない」 (2ページ目)

  • 小宮良之●取材・文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 中村博之●撮影 photo by Nakamura Hiroyuki

【2歳の時からスケート中心の生活】

 東日本のショートプログラム(SP)ではトーループを失敗したが、3回転ループ+2回転トーループやダブルアクセルを成功させ、4位の好位置につけた。スピンはすべてレベル4だった。東京選手権と比べて、スケーティングは見違えるほどに改善していた。

「東日本は1年のなかでも一番緊張する大会で、1カ月前から夢に出るほど。スケート21年目で、一番緊張したフリーでした。ネガティブな感情がたくさん出てしまって」

 フリーではジャンプに回転不足がつき、3回転サルコウが2回転、ダブルアクセルがシングルになるなど苦戦を強いられることになった。それでも演技構成点は上位で、粘り強く滑り続けて5位。総合でも5位と僅差で全日本出場枠内に入った。最後は、全日本の常連フィギュアスケーターとしての意地だったかもしれない。

「2歳の時から、どんな時でもスケート中心の生活を続けてきました。小さい時から何百回も試合を経験し、そのたびに毎回、新しい気持ちで」

 東日本選手権での取材で、本田はそう心境を明かしている。

「小学4年の野辺山合宿からずっと一緒にやってきた同期も、今日明日で現役最後になるかもしれないって状況で。そういうのを話す、大学4年生になりました。だから、(全日本では)今までやってきたことをすべて出しきれるように、と思っています」

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