三原舞依が新プログラムを初披露 セリーヌ・ディオンの名曲で表現する「強い自分」 (4ページ目)
●「強い三原舞依を見せたい」
「オフはカナダでトレーニングしたり、アイスショーでトップスケーターたちと一緒になったり、日々、もっと強くなりたいと思うようになりました」
三原は言う。
「どんな状況でも、自分のベストを尽くせるようにしたいですね。だから、睡眠からトレーニングまですべて大事にこだわって。これまで学んできたことをすべて出せるように。
筋肉痛になる日も多かったんですが、どうにか身体を動かしてやってきて、それをシーズンで活かせたらと思います」
三原は言葉だけではなく、余念なく戦いの準備をしてきた。振り付け練習では、バトルコーチがしばしば歌声をつけて指導してくれたという。その歌がうまく、彼女自身も世界観に引き込まれるように滑ることができた。
「ブラケットひとつでも、お客さんに伝わるものが違います!」
明るい声で語る彼女は、スケーティングの一つひとつを楽しみながら磨いてきた。
昨シーズン、2連勝したGPシリーズは11月の中国杯、NHK杯にエントリーしている。12月には、GPファイナルが北京で開催。同月に、長野で全日本選手権。そして来年3月、モントリオールで世界選手権だ。
「強い三原舞依を見せたい」
そう語る機会が増えた三原は、競技者として湧いてきた欲求を演技で昇華するのだろう。その時、強く輝くヒロインが誕生するはずだ。
著者プロフィール
小宮良之 (こみやよしゆき)
スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。
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